第12回目 2月の活動 1年間の留学生活の振り返りと学び
交換留学を終えて
私の交換留学はこれで終了しました。
帰国前の今月は、留学生活の締めくくりとして、お世話になった3家庭へ挨拶に行きました。ポーランドから日本は遠く、飛行機代も高く、直行便も多くはありません。そのためポーランドの方にとって日本は「夢だけれど、なかなか簡単には行けない国」だと言われます。日本の話をしたり、日本から持ってきたプレゼントを渡したりする中で、「いつか日本に行きたい」と言ってもらえたことがとても嬉しく、もし日本で再会できる日があれば、今度は私が案内して恩返しをしたいと思いました。
7月に2週間ホームステイをした家庭とは、その後も連絡を取り続けていました。帰国前に「またおいで」と声をかけてもらい、再び訪れることができました。初めてのポーランドでの長期ホームステイだったこともあり、私にとって特別で大切な家庭です。当時は言葉がほとんど通じない中で、子どもたちと毎日一緒に遊びました。言語がなくてもこんなに楽しく過ごせるのだと知った、忘れられない2週間でした。
半年ぶりの再会だったため、覚えてくれているか少し不安もありました。しかし、4歳のホストシスターが「今日はお家に日本人が来る」と保育園の先生に話していたと聞き、待ち遠しくしてくれていたことを知って本当に嬉しくなりました。再会した瞬間、「Anno~!」と駆け寄ってくれて、半年ぶりとは思えないほど自然にまた一緒に遊ぶことができました。

写真1:ホストシスター(4歳)とのお気に入りの写真です。

写真2:ギターの発表会の日は、みんなでドレスアップしました。
滞在中には、ホストシスターのギターの発表会にも参加しました。また、ポーランドの「Fat Thursday」というドーナツ(ポンチキ)をたくさん食べる日にも一緒に参加しました。この日は少なくとも1つはドーナツを食べないとその年の運気が下がるとも言われ、統計ではポーランド全体で約1億個以上が消費されるともいわれています。職場や学校でも配られるため、まさに“1日中ドーナツを食べる日”という雰囲気です。今年は冬休み中だったため学校でドーナツを食べられず、ホストシスターとホストブラザーは少し残念そうにしていましたが、ホストマザーは「いつもたくさん食べるから、今年はちょうどいいわね」と笑っていて、そのやりとりがとても微笑ましく感じられました。昨年は大学の授業でポーランドの食文化を学び、ポンチキを食べました。それから約1年後、今度は家庭で一緒に作ることができたことも嬉しい思い出です。生地をこね、形を作り、揚げて、トッピングまで一緒に行い、私は1日に5つも食べてしまいました。

写真3:ドーナッツ30個くらい揚げました。

写真4:ジンジャーブレット味がお気に入りでした。

写真5:このドーナッツ(ポンチキ)の中には伝統的な「Róża (ローズジャム)」というバラの花びらから作るローズヒップジャムが入っています。
帰りの電車で食べる分まで持たせてくれたことも、今でも心に残っています。
ポーランドに来るときはまた会いに来てね、と言ってもらい、再会できる日が今から楽しみです。大学の授業だけでなく、このような人との出会いがあったことが、私にとって留学生活で最も大きな宝物になりました。
ポーランドで1年間生活して感じたこと
私はこの留学を通して、3つの目標を立てていました。
- 若者の生活満足度が高いとされる背景を探り、島根県の若者や子どもたちを盛り上げるヒントを得ること
- 将来小学校教員として働くために、歴史や政治への理解を深めること
- 英語で授業を受けられる語学力を身につけること
実際に生活する中で、ポーランドの若者の満足度の高さには「安心して暮らせる基盤」が大きく関わっていると感じました。
まず、経済的な負担の軽さです。学生割引制度が広く利用でき、交通機関の料金も大幅に安く、長距離移動であっても日本円で2000~2500円程度で移動できます。都市部に住む学生も週末には気軽に実家に帰ることができ、私自身も友達と遊んだり、ホームステイ先の家族に会いに行くことが気軽にできたのは、この制度のおかげだと感じました。大学院がある神戸から島根に帰省する場合と比べると、その違いは大きく、こうした身近な自由さが生活の満足度につながっていると思います。
また、物価が比較的安いことも大きな要因です。ポーランドはユーロを使用しておらず、西欧諸国と比べると生活費が抑えられています。家賃や食費の負担も軽く、友達と気軽にカフェに行ったり、ちょっとした買い物を楽しむことも、日常の楽しさにつながっていました。

写真6:ここはメインスクエアですが、ゴミがなくて綺麗です。
街のきれいさや治安の良さも印象的でした。夜に一人で歩いても不安を感じることは少なく、公共空間も整備されています。こうした安心感は、若者の生活満足度に大きく関わっていると感じました。

写真7:この教会はいつみても感動します。

写真8:最終日に食べたポーランド料理です。(800円くらい)
加えて、家族とのつながりの強さも実感しました。交通費が安いため、若者は気軽に帰省でき、家族と過ごす時間を大切にしている印象を受けました。寮に住む現地の学生も、毎週のように実家に帰省しているそうです。私自身もホームステイ先で家族と過ごす時間の温かさに触れ、精神的な支えが身近にあることの大切さを改めて感じました。
この1年間を通して、「安心して暮らせる基盤」があることの大切さを実感しました。今後はアンケートやインタビューを実施し、より具体的に分析を深めていきたいと考えています。
また、苦手意識のあった歴史や政治についても、次第に興味を持つようになりました。友人同士や家族間で政治の話題が日常的に交わされていること、ウクライナ避難民支援に関わる中で戦争の背景を知る機会があったことがきっかけです。「なぜ起きているのか」「どうしてこの歴史があるのか」と考えるようになり、知りたいという気持ちが学びの原点になることを実感しました。
語学力については、ディスカッション中心の授業を受けていたため、英語で話す機会が多くありました。最初は他の留学生が当たり前のように議論する姿に圧倒されることもありましたが、日常会話やリスニング力は留学前よりも確実に向上したと感じています。
感謝の気持ち
大学院修了後は小学校教員として勤務する予定でしたが、自分の教育観をより広い視野から見つめ直したいと考え、交換留学に挑戦しました。多くの出会いと学びに恵まれたこの1年間は、私の人生の大きな財産です。
グローカル支援事業の関係者の皆様、支援企業の皆様、背中を押してくれた家族、そしてポーランドで出会った友人やホストファミリーなど、多くの方々に支えられて無事に留学を終えることができました。
これからは感謝の気持ちを忘れず、ここで得た経験や学びを、日本の学校教育の現場で生かしていきたいと思います。










