第2回目 4月の活動 特別支援教育制度の学習、首都ワルシャワ訪問やスペインへの小旅行
4月のポーランド留学生活
ポーランドの4月はまだ肌寒く、春の訪れには少し早い印象でした。日中は20度を超える日もありましたが、朝晩は冷え込み、毎日の服装選びに悩むことが多かったです。それでも、3月に比べて氷点下の日が減り、街を歩いていると川沿いでピクニックを楽しむ人や、本を読んでいる人の姿も見かけるようになり、春が近づいているのを感じました。
(写真1)ルームメイトと一緒に折り紙をしました
私の履修している特別支援教育に関する授業が終盤を迎え、最終プレゼンでは日本の特別支援教育制度について発表しました。診断書の発行の流れや、国からの支援体制について、他国と比較しながら紹介しました。ポーランドには、特別支援学校、インクルーシブクラスなど、保護者が子どもの学びの場を選べる柔軟な制度が整っており、「できるだけすべての子どもを通常学級に統合する」という傾向が強い他のEU諸国と比べて、個別対応が重視されている点が印象的でした。この点は日本とも似ていて、日本では、特別支援学校の子どもと通常学級の子どもが交流する「交流学習」や、特別支援学級の児童が教科ごとに通常学級に入る仕組みなど、インクルーシブと分離の両方の側面を併せ持つところが興味深いと思いました。
また、ポーランドではウクライナから避難してきた子どもたちも多く受け入れており、私が訪れた幼稚園では通常1クラス5人のところ、特例で最大7人まで受け入れていました。言語や文化の違いに配慮しながら、教育の場で多様性と包摂が実践されていることを学ぶことができました。
休日での学び
4月17日から22日まではイースターブレイクがあり、スペインのバルセロナを訪れました。日本ではあまり馴染みのないイースターですが、キリスト教においてはイエス・キリストの復活を祝う重要な祝日です。現地では街全体が祝祭ムードに包まれており現地では街全体が祝祭ムードに包まれ、サグラダ・ファミリアで行われていたイースター礼拝にも参加することができました。この機会に、ヨーロッパの宗教行事や文化をより身近に感じることができ、とても貴重な体験となりました。
授業でもイースターに関する内容を扱い、ポーランドでの伝統的な過ごし方について学びました。
(写真2)イースターエッグについて学び、カッターで柄を描く体験もしました
たとえば、食べ物を入れた小さなバスケットを用意して教会に持参する風習や、「水かけ祭り」というユニークな行事があることを知り、国によってイースターの過ごし方が大きく異なることに驚きました。
また、高校の世界史で学んだ「ゴシック様式」についても、現地で実際に建築物を見たことで強く印象に残りました。当時はテストのために暗記するだけで、イメージがわかなかったのですが、バルセロナでサグラダ・ファミリアやサンタ・エウラリア大聖堂を目にし、「これがゴシック様式なんだ」と実感しました。尖塔や落ち着いた色合い、ステンドグラスは、実物は写真とは全く違う迫力がありました。教科書の内容と実際の建物が結びついたことに感動し、記憶に残りました。
(写真3)サグラダファミリアのステンドグラスは色鮮やかでした
このような体験ができると、学校の勉強ももっと意味のあるものになるんだろうな、と感じました。
月末には首都ワルシャワも訪れました。
(写真4)友達家族にお花が綺麗な公園へ連れってもらいました。
クラクフとは雰囲気が異なり、高層ビルが立ち並ぶ中にも歴史を感じられる場所が多く、新たな発見がありました。現地出身のメンターが、私と日本人の友人を自宅に招いてくれたことで、ワルシャワでの滞在がより思い出深いものになりました。さらに、そのメンターがポーランド人の友人たちを紹介してくれ、食事やパブ、ミニゴルフに出かけたりと、現地の若者が行く場所で楽しむことができました。
(写真5)10種類のミニゴルフをして楽しみました
私は英語開講の授業を受けているため、普段は他国からの留学生との交流が中心で、ポーランド人と深く関わる機会はあまりありませんでしたが、今回のワルシャワ滞在を通じて新しいつながりができました。今後は、そのポーランド人の友人たちにインタビューを行い、ポーランドの若者の満足度が高い背景について、少しずつ調査していきたいと考えています。
また、ワルシャワではユダヤ人博物館(POLIN Museum)も訪れました。
(写真6)ユダヤ人が着用していたダビデの星
高校の世界史でユダヤ人について学んだ記憶はありましたが、実際に展示を見て学ぶのは初めてでした。博物館では、国家成立の初期から現代に至るまでのユダヤ人の歴史が展示されており、戦間期やホロコーストの悲劇に加え、ユダヤ人の豊かな文化にも触れることができました。展示をじっくり見て回っていたら、気づけば5時間以上が経っていました。日本語のオーディオガイドもあり、充実した時間を過ごせました。しかも学生料金は1zl(約40円)と格安なこともあり、学生に負担のない料金でした。このような貴重な体験ができることに感謝の気持ちでいっぱいになりました。
4月の活動をふりかえって
4月は、授業に慣れてきたこともあり、休日には旅行や交流を通じて学びの幅を大きく広げることができました。ポーランドは交通費が安く、学生割引も充実しているので、学びと体験のバランスがとりやすい環境です。来月も、授業や人とのつながりを大切にしながら、さらに充実した留学生活を送っていきたいと思います。