第4回目 6月の活動 ウクライナの子どもたちへの支援活動とボランティア
ウクライナの子供たちと過ごした一日
ポーランドでの留学中、ずっと心の中で「やってみたい」と思っていたことの一つが、ウクライナから避難してきた子どもたちの支援に関わることでした。ウクライナ支援の最前線で活動されている日本人の方のご協力のもと、ワルシャワにある小学校で開催されていた子どもの日のイベントにボランティアとして参加しました。
その学校には1年生から8年生までの子どもたちが通っており、ほとんどがウクライナから避難してきた子どもたちだと伺いました。先生の中にも、同じように避難してきた経験を持つ方もいらっしゃいました。
この日は日本の「ラジオ体操」や「じゃんけん列車」を紹介し、一緒に体を動かして遊びました。

写真1:じゃんけん列車をしている様子です。

写真2:最後に日本から寄付されたおもちゃを渡しました。
言葉は通じなくても、笑い合いながら体を動かすうちに、自然と距離が縮まったように感じます。はじめは緊張した顔をしていた子が、最後には笑顔で「またね」と手を振ってくれたことは、今も心に残っています。
ポーランドはウクライナの隣国ですが、普段の生活の中で戦争を感じることは一度もありませんでした。しかし、実際に避難してきた子どもたちや先生方と出会い、話を聞き、一緒に過ごす中で、戦争が「今も続いている」という現実を強く感じました。
戦争が始まって3年以上が経ち、避難生活も長くなったことで、子どもたちの中には少しずつウクライナ語を忘れつつある子もいると伺いました。お父さんは戦地へ行き、お母さんは生活のために働かなくてはならず、子どもたちは家では寂しい思いをしているかもしれません。戦争の影響で大変な思いをしてきたはずなのに、子どもたちからは悲しさや弱さではなく、むしろ明るさや強さが伝わってきました。その場にいた私の方が、子どもたちのまっすぐな笑顔とたくましさに励まされるように感じました。
ポーランドでの生活が「日常」になりつつある中で、子どもたちが「ウクライナ人である」というアイデンティティを忘れてしまわないよう願っています。そして、いつか安心して故郷に帰れる日が来ることを心から願い、「また会おうね」と子どもたちに挨拶をしました。
また、私自身も日本で当たり前のように過ごしてきた日々のことを改めて思い返しました。自分の意思で「学びたい」と思ったときに学べる環境があること、安心できる家があること、家族と一緒に食卓を囲めること。それらがどれほど大切なことだったのか、ポーランドに来てから初めて気づけたことは、私にとって大きな学びとなりました。
特別支援学校で過ごした「子どもの日」
日本では5月5日が「こどもの日」として祝日になっていますが、ポーランドでは6月1日が「こどもの日」です。ポーランドの子どもたちにとって、とても大切で楽しい一日であり、街のあちこちでさまざまなイベントが行われていました。
私が訪れた特別支援学校でも、少し違った形で子どもの日を祝っていました。その学校では、1週間ほどの期間、子どもたちが普段の教室を離れ、村への遠足や馬小屋での体験など、さまざまな課外学習を行われていました。
私が訪問した日は、子どもたちが馬と触れ合う体験の日でした。学校からバスに乗り、約30分の場所にある馬小屋へ向かいました。

写真3:小さな動物園にきた気分でした。
そこでは子どもたちが直接馬に触れたり、宝探しに挑戦したり、魚のおもちゃを捕まえる体験をしたりと、自然の中で思いきり体を動かしながら楽しんでいました。

写真4:子どもたちがデザインした旗を持って1日行動しました。
普段の学校生活の中では見られないような、生き生きとした笑顔があふれていたのが印象的でした。
日本の「こどもの日」とはまた違う形で祝われるポーランドの特別支援学校での取り組みに触れられたことは、私にとってとても貴重な経験になりました。子どもたちの笑顔や楽しむ姿に私自身も元気をもらいました。
MAM TALENTというイベントに参加して
「MAM TALENT(マム・タレント)」は、ポーランドの小学校で行われるイベントで、日本の学校でいう「学習発表会」や「学芸会」のようなものです。子どもたちが自分の得意なことや好きなことを発表する場です。
名前の由来は、ポーランドで人気のオーディション番組「MAM TALENT!(私は才能がある!)」から来ており、その名前の通り、子どもたちが自分の「才能」や「個性」を自由に表現できる時間となっていました。
私がボランティアをしている小学校での「MAM TALENT」は、学年末の特別な行事として開催されていました。発表の順番になると、子どもたちは緊張しながらも楽しそうにステージに立ち、精一杯歌ったり踊ったり、劇をしたりしていました。会場には笑顔と拍手があふれ、発表する子どもたちを先生や友達が温かく応援している姿がとても印象的でした。
発表が終わると、審査員が点数が書かれたボードを掲げて評価します。子どもたちは満点が取れることを願いながら審査員の方を見つめ、その瞬間をドキドキしながら待っていました。満点をもらえたときには、嬉しさのあまり涙を流して喜ぶ子どもの姿もあり、とても心に残りました。

写真5:ダンスを披露した後に、審査員の感想をドキドキしながら聞いているところです。
また、音楽がかかると先生たちも前に出て踊り出し、会場全体でリズムに乗って楽しむ空間になっていたことも、日本の学校行事との大きな違いでした。日本では音楽がかかっても恥ずかしくてなかなか踊り出すことはありませんが、ポーランドでは周りの人を巻き込みながら楽しむ姿があり、私自身もその雰囲気の中で自然と楽しい気持ちになりました。

写真6:音楽が流れると、みんな前に出て踊り始めました。
この「MAM TALENT」のイベントを通して、子どもたちが自分の好きなことや得意なことをのびのびと発表し、それを周りが自然に応援しながら一緒に楽しむ文化に触れることができ、とても貴重な時間になりました。
今月のまとめ
6月は、ウクライナから避難してきた子どもたちとの交流や、現地の小学校で行われたさまざまなイベントへの参加を通して、心に残る貴重な体験がたくさんありました。
大学の授業も一区切りとなり、友人たちはそれぞれの国へ帰国する時期を迎えています。私自身も、これまでの出会いや学びを振り返りながら、今後につなげていきたいと思います。夏休みに入る7月は、今のところまだ予定はありませんが、自分にできることを探しながら過ごしていきたいと思います。そして、ウクライナ支援など、また子どもたちと関われる機会があれば積極的に参加していきたいです。










