留学最終月:ボランティア活動、フルマラソンへの挑戦
Madboks Copenhagenでの最後のボランティア活動
今月も、食品ロス削減団体である“Madboks Copenhagen”(以下:Madboks)でのボランティア活動を行いました。これまではスーパーマーケットやベーカリーから回収された廃棄予定食品を仕分けて記録する仕事しか経験したことがなかったのですが、今回はそれらの食品を実際に地域の方に配る仕事を行いました。
(写真1)パンの配布の様子
私は、パンの配布を行いました。たくさんの種類のパンを並べ、訪れた地域住民の方々に希望を聞き、配布しました。今回の仕事を通して初めて、地域の人々と直接交流することができました。「このパンはこのようにして食べたら美味しいよ」「このキノコはこうやって調理するのがおすすめだよ」など、地域の人々と実際にお話することで、食べ物の魅力を伝えることができ、それがより多くの食べ物を持って帰ってもらうこと、つまりボランティア活動終了後に残って廃棄となってしまう量を減らすことにつながると考えます。
今回は100箱近くの廃棄予定食品がスーパーマーケットから集まったのですが、その中で、傷んでしまって食べることができない食品は、バケツわずか2個分でした。スーパーマーケットで「いらないもの」として扱われてしまう食品も、実はそのほとんどはまだ食べることができる、ということは非常に残念であるとともに、解決されるべき問題であると感じました。
(写真2)傷んでしまって食べることができない食品は、わずかバケツ2個分!
この問題は、日本においても当てはまるのではないでしょうか。
消費者庁によると、日本の食品ロスのうち、約53%は産業から、残りの約47%は家庭から排出されています。そして、家庭の食品ロスのうち、約20%が、賞味期限内に食べられることがないまま捨てられてしまっているのです。
さらに、食品ロスジャーナリストの井出留美氏の著書『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(2016) によると、日本人の消費者は「食べ物は真っ白な状態であるべき」、つまり、「食べ物には一点の汚点もあってはならない」ということを望んでいるそうです。
私たち日本人は、食べ物の新鮮さ・安全性を必要以上に気にしているのではないでしょうか。日本に帰国後は、日本の食品ロスの現状について、産業的視点および消費者視点の両方から詳しく調べていきたいと思います。
(写真3)Madboksのメンバーと。右から2番目がRoxana氏。
Madboksの創立者であるRoxana Zlate氏と、今回のボランティア活動終了後にお話する機会がありました。もうすぐ日本に帰るが、日本でも食品ロス削減活動を続けていきたいと伝えたところ、なんと、「出雲でも“Madboks Izumo”として活動を続けてみたらどう?」という提案をしていただきました!出雲で何をするのかについては、食品ロス削減活動だけでなく、初対面の人々と食を通して交流する“Fællespisning“(第6回のレポートに詳しく記載)のようなイベントの実施など、食で人々の幸福を実現できるものであれば何でもいいとのことでした。
私の留学のテーマは、食を通した多文化共生の推進&食品ロス削減です。これを実現するために大切な多くのことを、Madboksでのボランティア活動やFællespisning、様々な地域出身の友人との食事づくりなど、10ヶ月の留学生活を通して学ぶことができたと感じています。帰国後は、これらを生かして、出雲に住む日本人と外国人が食を通して交流し、互いへの理解を深めたり、食品ロス問題に関心を持つことができるイベントを開催したいです。
人生初のフルマラソンへの挑戦!
今月、ドイツとの国境の近くにあるAabenraaというデンマーク西南の街で行われた、”Aabenraa Mountain Marathon”に参加し、人生初のフルマラソンに挑戦しました!
デンマークでは、健康に対する人々の意識が非常に高く、老若男女問わず、多くの人が日常的に運動をしています。
私は中学高校を通して吹奏楽部に所属しており、運動は得意な方ではありませんでした。しかし、ランニングをしている多くの人々に感化され、今年の2月頃から私もランニングを始めました。私は何か明確な目標がないと努力を続けることができない性格であると同時に、デンマークで何か大きなことを達成してみたいと思っていたため、友人と共にフルマラソンに挑戦することにしました。
(写真4)農場の近くでは、牛がコースを塞いでしまうこともあった!
実際、フルマラソンは想像の何倍も大変でしたが、地域の人々がデンマークの国旗を振りながら沿道で応援してくれたり、ボランティアの方々が山の中でも私たちのために休憩スポットで働いたり応援してくれ、とても元気をもらいました。
そして一緒に走った友人らの存在のおかげで、なんとか42.195kmを完走することができました!!タイムは非常に遅かったのですが、大きな達成感で満たされ、自分たちのことを非常に誇らしく思いました。
日本にいたら、フルマラソンに挑戦するということは夢にも思わなかったと思います。「心身の健康のために運動をする」ということも、デンマークに留学に来たからこそ学べたことの1つであると感じます。日本に帰国後も、自分のペースでランニングを続けていき、またいつかデンマークに戻ってマラソンに挑戦してみたいです。
(写真5)一緒に完走した友人たちと
デンマーク留学を振り返って
今月で、10ヶ月に及んだデンマーク留学がついに終了しました。今回の留学が初めての海外経験であった私にとって、毎日が学びの連続でした。言語や文化・価値観の違いなどによって嬉しいことも大変なこともたくさん経験しましたが、それらは全て私を大きく成長させてくれました。特に、実際に私も「外国人」という立場で長期に渡り海外で生活したことは、多文化共生に興味のある私にとって非常に良い経験となりました。そして何より、グローカル奨学金での活動があったからこそ、より多くのことに挑戦することができました。事務局の方々、協賛企業・団体の方々、そしてコミュニティの仲間たち全てに感謝申し上げます。
今回の留学で学び、経験した全てのことを、島根を持続可能な県にするために、生かしていきたいです。今後の日本における活動も、様々な人々と協力しながら、頑張りたいと思います。非常に楽しみです!
(写真6)デンマークでは、朝から誕生日を祝う伝統があり、寮のキッチンメイトたちが私の誕生日(7月1日)も、前倒しで祝ってくれた。朝ドアを開けると、デンマークの国旗を振りながら歌を歌ってくれ、その後、皆でブランチを楽しんだ。最高な誕生日の思い出の一つとなった。