廃棄予定食品を救う!ボランティア団体Madboks Copenhagenへの訪問

 “Madboks Copenhagen”とは、食品ロス削減に取り組むと同時に、食品をより多くの人にとって入手しやすくすることで、人々の健康促進を目指すボランティア団体です。パートナー提携をしているスーパーマーケットやベーカリーで売れ残ってしまった食品や農家からの余剰食物を回収し、地域住民に配布するイベントを毎週行っています。Madboksが回収することで廃棄から救っている食品の量は、なんと毎週1.5~2トンに及ぶらしく、社会に及ぼす影響力は非常に大きいです。

写真1 山本初音

(写真1)“Madboks”のmadは「食べ物」boksは「箱」を意味する。その名の通り、会場にはボックスに入った食品が所狭しと並んでいた。

このイベントの参加者は、事前に予約フォームで訪問時間を予約し、食品を持ち帰る袋を持参します。会場である地域の多目的施設には、ボランティアの方が回収・仕分けした様々な種類の野菜や果物、パンがありました。義務ではないのですが、25 dkk(約540円)を寄付することが推奨されており、これは運営費を賄うために使われます。しかし参加者は好きなだけ食品を持って帰ってよいため、環境だけでなくお財布にも優しいイベントとなっています。

写真2 山本初音

(写真2)私が持ち帰った食品。悪くなっている部分はほとんどなく、安全に美味しく食べることができた。

今回のイベントには、既に十分な人数のボランティア揃っていたため、参加者として訪問しましたが、ボランティアをしたいという旨を伝えると、皆さんが温かく歓迎してくれました。食品の回収・配布業務だけでなく、SNSを通じた情報発信・啓発活動などにも取り組むことができるそうです。来月からのボランティア活動開始に向け、頑張ります。

写真3 山本初音

 (写真3)Madboksの設立者であるRoxana Zlateさんと。非常に明るく気さくな方で、たくさんの参加者やボランティアの方と交流しておられた。

デンマークの寮の定番パーティー “TDC” で日本の怪談を普及!

デンマークの多くの学生寮で行われているとても人気なパーティーとして、“Tour de Chambres (略してTDC)”というものがあります。Chambreとは「部屋」を意味しており、皆の部屋をツアーのように巡って、それぞれの部屋で、アクティビティやお酒などのドリンクを楽しむものです。

このパーティーでは、各々が自分のテーマを設定し、そのテーマに基づいたコスチュームや部屋の装飾、皆で楽しめるアクティビティやドリンクを準備します。テーマは非常にバラエティに富んでおり、私のフラットでは、脱出ゲーム、昆虫の世界、ハワイ、ギャング、ハリーポッター、デンマークで人気のクイズ番組・恋愛リアリティ番組などがありました。

写真4 山本初音

(写真4)ハリーポッターがテーマの部屋で、組み分け帽子を使ったチーム分けをしている場面。

デンマークの文化では悪魔や魔女はいても、幽霊などはいないと聞いたため、この機会に日本の怪談文化を味わってもらおうと思った私は、「皿屋敷」(お菊さんがお皿を割ってしまった罪で井戸に投げ捨てられた後、幽霊となって夜な夜なお皿を数える怪談)をテーマにしました!

私の部屋でのアクティビティは、初めに皿屋敷の英語版の動画を見てもらった後、紙皿投げゲームと、ホラー写真選手権を行いました。部屋の装飾と私の仮装がかなり怖かったらしく、準備を頑張った甲斐があって嬉しかったです。キッチンメイトのほとんどが日本の幽霊について知らなかったのですが、今回のパーティーを通して「すごくクールで面白そう!」「The Ring(貞子の映画)を見てみたくなった!」などのコメントをもらえ、日本についてまた新たに知ってもらえてよかったです。

写真5 山本初音

(写真5)お札や血の手形の装飾やろうそくなどで部屋を飾り付け、テーブルクロスで衣装を作った。

 

私の住む寮ではTDCだけでなく、様々なパーティーが頻繁に行われています。また、普段もキッチンでお話をしたり一緒に夜ご飯を作って食べたりと、交流がとても盛んです。

寮に住み始めたばかりの頃は、英語でのコミュニケーションに苦戦したり、家族のように仲が良い既存のコミュニティに入っていくのが難しかったりと、辛い時もたくさんありました。ですが、自分から積極的に話しかけたり、様々なイベントに参加して多くの時間を一緒に過ごしてきたことで、彼ら彼女らの存在が私の中でどんどん大きくなりました。嬉しかったことを誰かに話したら、それがいつの間にか他の人にも伝わって皆が一緒になって喜んでくれたり、体調を崩した時は、ドアを叩く音と共に温かいスープを持ってきてくれました。

写真6 山本初音

(写真6)月に1度、ちょっとした楽しいことを行おうという趣旨の“Duty Fun”というイベントがあり、今月は皆で巻き寿司を作って食べた。マンゴーやクリームチーズが入った寿司(Danish Sushiらしい)は初めて食べたが、意外と美味しかった!

そんな温かいキッチンメイトと一緒に過ごすことができる時間もあと3ヶ月です。日々の何気ない交流を大切にしていくと共に、日本や島根の良さをこれからも伝え続けたいです。また、料理やイベントなどデンマークに関する様々なことを教えてもらい、楽しんできました。日本に帰った後、デンマークの素敵な文化を多くの人に知ってもらえるような活動を行いたいです。