世界初!食品ロス専門スーパー “Wefood” への訪問

 SDGs達成度が高いデンマークは、5年間で食品ロスを25%も削減した国でもあり、食品ロスを削減するための様々な取り組みを先駆的に行っています。その一例が、賞味期限切れの食品を扱う世界で初めてのスーパーマーケット、”Wefood“です。

ここでは、

・賞味期限が過ぎてしまったものの、まだ安全に食べることができる食品

・消費期限の迫った生鮮食品

・パッケージの変更や破損などで販売できなくなった商品、ハロウィンやクリスマスなどの季節限定イベント後に売り残ってしまった商品

などの廃棄予定商品を提携するスーパーや小売店から低価格で買い取り、定価の30%~50%引きで販売することで、食品ロス削減を目指しています。

 そんなWefoodに、私も実際に行って買い物をしてきました!

山本初音 10月月次レポート 写真1

(写真1)食品ロス専門スーパー ”Wefood”
:お店の入り口のドアには、「私たちが力を合わせれば、無駄になるものを減らし、飢餓と戦い、より多くの利益を生み出すことができる」と書いてある。

 店内にはお肉、パン、飲み物、お菓子など様々な食品があり、奥の方には古着や食器などもありました。また、飢餓や貧困の解決など、持続可能な社会への貢献ができるというWefoodで買い物をすることによるメリットや、グローバルサウスの人々への支援にWefoodの利益が使われることなどが、お店の入り口や店内のいたるところに大きく書かれており、食品ロス削減に対する私たち消費者の意識を高めるための工夫がなされていました。

 私はその日、ペットボトル飲料や紅茶、ハロウィンの置物や電池式キャンドルなどを購入しました。パッケージの一部にわずかな破損があるだけで他には問題のない商品ばかりで、定価の半分ほどで買うことができ、非常に満足しています。お財布にも社会にも優しいwin-winのこのスーパーで、これからもたくさん買い物をしたいと思いました。

山本初音 10月月次レポート 写真2

(写真2)Wefoodでの購入品

キッチンメイトへのぜんざいの提供&出雲についての紹介

 今月10月は「神在月」ということで、私の地元・出雲発祥のぜんざいをキッチンメイトに作って振る舞うとともに、日本神話や出雲の歴史について紹介しました。日本には古くから神道があり、一般的には神無月と呼ばれている10月が出雲では神在月と呼ばれていること、そしてその理由を出雲の歴史とともに紹介しました。日本について、東京や京都、大阪、広島などは知っていても、島根について知っていたルームメイトは残念ながら1人もいませんでした。しかし、今回ぜんざいとともに出雲について詳しく紹介したところ、皆が出雲について非常に興味を持ってくれ、とても嬉しかったです。また、余談ですが、彼らにとってスープ(ぜんざいの餅以外の汁部分)をデザートとして食べることは今回が初めてであり、非常に興味深かったらしいです。

山本初音 10月月次レポート 写真3

(写真3) キッチンメイトへぜんざいとたこ焼きの提供
:ぜんざいだけでなく、メイン料理としてたこ焼きをキッチンメイトと一緒に作った。写真中央にあるフライパンは、後述のÆbleskiver(デンマークのクリスマスのお菓子)用のものである。

日本文化体験イベントの開催

 10月の後半に、現地の学生や他の国からの留学生、そして日本人学生を対象に、日本文化体験イベントを大学において開催しました。日本の遊びやグループ対抗日本クイズを行ったり、たこ焼きやさつまいもスイーツなどの日本料理を提供したりしました。

 このイベントにおいて、私は主に料理を担当しました。デンマークにはÆbleskiver(エーブルスキワ)という名前の、クリスマスの時期に食べるスイーツがあるのですが、それを作るためのフライパンが、たこ焼き器にそっくりなんです!フライパンの穴の大きさもたこ焼きとほぼ変わらないため、デンマーク人の友人から借りたÆbleskiver用のフライパンを用いてたこ焼きを作りました。イベントの後半には、参加者にも実際にたこ焼きを作ってもらったところ、非常に盛り上がり、多くの人に楽しんでもらえて嬉しかったです。

 他の日本人学生や、日本語学科の現地の学生たちと共に、約1か月前から準備を進めてきました。その結果、60人を超える多くの学生が来てくれ、日本についての魅力について楽しく知ってもらえたとともに、様々なコミュニティが新たに生まれ、とても達成感がありました。

山本初音 10月月次レポート 写真4

(写真4)日本文化体験イベントにおけるじゃんけん列車ゲーム

学生向け施設 “Studenterhuset”でのボランティア活動の開始

 10月末から、”Studenterhuset”という場所でのボランティアを始めました。Studenterhusetは、コペンハーゲンの中心に位置しており、勉強を頑張る学生の応援や、学生間の交流促進を目的とした場所です。ドリンクやフードを学生向けに低価格で提供するカフェ&バーの営業や、いろいろな国の言語を学ぶことができるLanguage Café、様々な学生と一緒に食卓を囲む低価格での食事会であるCommunity Kitchenなどをはじめとした各種イベントの企画・運営などを、学生ボランティア主体で行っています。

 今回はカフェ&バーでのボランティアを行い、ドリンク作成やレジなどを担当しましたが、私は数あるボランティア業務の中でも特に、Community Kitchenに興味があります。またCommunity Kitchenでは、ベジタリアンなどに対応した食事を低価格で提供しているため、外食費の高いデンマークでも、多くの学生が利用することができます。また、Studenterhusetには現地の学生だけでなく、留学生も多く訪れているため、非常に多様性に富んでいます。様々なバックグラウンドをもった学生が同じテーブルで食事を楽しむというこのイベントから、私の留学の目的の1つである「食を通した多文化共生の実現」のためには何が大切であるのかを学ぶことができるはずです。

 私は留学前、今回お話したStudenterhusetではなく、食品ロス削減に取り組む”Foodsharing Copenhagen”という別の団体でのボランティア活動を予定していました。もちろん現在もその団体での活動実施に向けて準備を進めているのですが、Studenerhusetの方がより早く活動を開始できるということが分かり、こちらに先に取り組むことにしました。カフェ&バーやCommunity Kitchenなどの業務に慣れてから、Foodsharing Copenhagenでの活動を開始したいと思います。そのため、それまでの間、私の留学のもう1つの目的である「食品ロス削減」に貢献するために必要な力を、身の回りの人へのインタビューや、デンマーク発祥の食品ロス削減アプリ”Too Good To Go”の使用など、取り組みやすい活動を通して身につけていきたいと思います。