最終レポート課題について

 私の大学では12月中旬で今学期の授業が終わり、1月の終わりまで冬休みとなっています。私は二つの授業を取っていたのですが、どちらの授業も最終課題としてレポートを提出しなければならず、そのページ数は合計約30ページと非常に多かったです。また、日本の大学では英語でのレポート課題がほとんどなかったため、専門的な内容について英語で書くことは想像以上に大変でした。

 幸運なことに、私の住んでいる寮は大学のキャンパス内にあり、大学は学生証があれば24時間いつでも入ることができていたため、冬休み中も朝から夜中まで滞在して勉強していました。ヨーロッパではクリスマス前後で実家に帰り、家族と共にクリスマスを過ごす学生が多いため、クリスマスを楽しむために多くの学生が大学で課題に勤しんでいたため、私も彼らと一緒に頑張ることができました。留学生の友人と一緒に、クリスマスイブに徹夜で勉強したことは、課題の大変さを非常に物語っていますが、いい思い出となりました。

写真1 山本初音

(写真1)真夜中のキャンパス

私の寮のすぐそばにあるサウスキャンパスは、まだ新しく、メインホールには桜のような形をした照明もあって、とても綺麗である。日本では夜まで大学に残ることがなかなかできなかったため、ワクワクしながら勉強に励むことができた。

 

 私のレポートのテーマの一つが、持続可能な取り組みの実践に文化的価値観が与える影響についてでした。このテーマに沿っていくつかのトピックを取り上げたのですが、なかでも賞味期限の決定・表示方法と食品ロス削減への取り組みに文化的価値観が与える影響についてデンマークと日本とを比較しながら論じたパートに特に力を入れました。日本の食文化や食に対する人々の価値観などを考慮しながら、食品ロスを削減するためにデンマークが行っている取り組みを日本に応用するにはどうしたらよいのかを考え、非常に勉強になりました。このレポートに取り組むにあたり身につけた知識や考えを、今後に生かしていきたいと思います。

デンマークのクリスマスについて

写真2 山本初音

(写真2)クリスマスマーケットの様子

 :どのクリスマスマーケットも非常に多くの人で賑わっており、街中のいたるところでクリスマスを感じることができた。

 

 デンマークにおいて、クリスマスはとても大切なイベントです。デンマーク語でクリスマスは “Jul(ユール)”と呼ばれ、まだハロウィンも訪れていない10月の初めから街にはクリスマスの雰囲気が漂い始めます。11月になると街全体が美しいライトで飾られ、いたるところにクリスマスマーケットが開催され、大学の構内にもたくさんのクリスマスツリーやイルミネーションがあり、全てがクリスマス一色になります。

 

 私も勉強の合間にいくつかのクリスマスパーティーに参加することができ、デンマークのクリスマスを非常に満喫することができました。
デンマークでは、クリスマスを代表する料理や食べ物として以下のものが有名です。

  Flæskesteg(フレスケタイ):オーブンでじっくり焼き上げた、外側の皮がカリカリで、中が柔らかくジューシーなローストポーク

  Æbleskiver(エーブルスキワ):10月の月次レポートでも紹介した、ベリージャムと粉砂糖を振りかけて食べる、たこ焼きに似た形でパンケーキのような味のお菓子

  Risalamande(リースアラマン):お米を牛乳やクリームで甘く煮詰めたライスプディングに甘酸っぱいチェリーソースをかけて食べるデザート。鍋の中には一つだけアーモンドが一粒まるごと入っており、そのアーモンドが自分のお皿の中に入っていた人はプレゼントをもらうことができる。

  Gløgg(グリュッグ):赤ワインにオレンジやシナモン、クローブなどを加えて温めたもの。アーモンドやレーズンが入っていることもあり、非常に飲みやすい味である。

これらはどれもとても美味しく、心も体も温まります。

写真3 山本初音

(写真3)キッチンメイトとのクリスマスディナー

 :皆で分担して料理を作り、私はFishfilletsと呼ばれる白身魚のフライを用意した。デンマークでは、“Remoulade”と呼ばれるソースが人気で、Fishfilletsにかけて食べられることが多い。マヨネーズに近いがすっきりとした酸味があって、フライを胃もたれせず美味しく食べることができる。

 

 クリスマスパーティーでは、これらの料理を食べたり、クリスマスのデコレーションを一緒に作ったり、“Pakkeleg” と呼ばれる、サイコロを振って制限時間の中でプレゼントを奪い合う、プレゼント交換(争奪戦?)のようなゲームをしたりします。日照時間が短い、暗く長い冬を乗り越えるために、クリスマスはデンマークにおいて非常に大きな役割を果たしています。課題が大変な1か月でしたが、クリスマスのおかげで、楽しい時間を過ごすことができました。

写真4 山本初音

(写真4)Pakkelegの様子

 :まずは各自が用意したプレゼントを全て中央に置き、サイコロを振って6の目が出たら好きなものを取ることができる。中央のプレゼントが全てなくなった後は、6の目が出たら他の人からプレゼントを盗み、1の目が出たら他の人に自分のプレゼントを渡し、これを制限時間内に繰り返す。サイコロの目次第で、もらえるプレゼントの数が決まるという、非常にスリリングで盛り上がるゲームである。

今年1年を振り返って

 2024年は非常にあっという間に過ぎていきました。2月、6月、7月、8月、12月に参加したグローカルの活動では、高い志を持った学生や、島根を盛り上げようと様々な取り組みを行っている方々と出会い、たくさんの刺激や人生のヒントをもらうことができました。そして、9月からの交換留学では、初めての海外で大変なことはたくさんありましたが、寮のキッチンメイトや現地の学生・他の留学生との交流を大切にしたり、日本や出雲の良さを食を通して伝えるために、料理を一緒に作って文化について紹介したり、ボランティアに参加したりなど、様々なことにチャレンジしました。その結果、現地での生活に慣れ、たくさんの素敵な友人もでき、デンマークと日本の良いところを見つけたり伝えたりすることができたと思います。

 2025年は留学生活をより実りあるものにするために、毎日を大切にしながら、もっと多くのことを吸収して、島根に持ち帰りたいと思います。

写真5 山本初音 (2)

(写真5)アドベントキャンドル

 :クリスマスシーズンになると、アドベントキャンドルと呼ばれる、1から24までの数字が書かれたキャンドルが販売される。デンマークでは12月1日から24日までの毎日、その日の日付が書かれた部分のキャンドルを燃やして、クリスマスをじっくり楽しみながら待つ文化がある。私もデンマーク人の友人と一緒に、自分のオリジナルアドベントキャンドルを作り、寮のシェアキッチンのテーブルに飾った。キャンドルの明かりのもと、キッチンメイトとご飯を食べたりお話をしながら、ゆったりした幸せな時間を楽しむことができた。