第2回目 1月の活動 お餅交流会とぜんざいの振る舞い
ブリスベンの正月について
今年はオーストラリアで初めて新年を迎え、ブリスベンのカウントダウンの花火を見ることができました。市内のいたるところでイベントが開催され、多くの人が集まって賑わっていました。日本ではおせちを食べたり、家族でゆっくり過ごしたりする文化が一般的ですが、オーストラリアではレストランやカフェも新年から賑わっており、外で新年を楽しむ文化が印象的でした。この違いを体験し、改めて日本とオーストラリアの新年の過ごし方の違いを実感しました。
(写真1:ブリスベンのカウントダウン花火)
語学学校の様子
語学学校では、ホリデーシーズンが終わり、新しい生徒が入ってくるなど活気が戻りつつあります。授業では日常会話だけでなく、社会や文化についてディスカッションする機会があり、オーストラリアの教育スタイルが日本とどのように異なるのかを学ぶ良い機会となりました。ディスカッションの中で、日本では教員が不足しているという話をすると、台湾では教員が人気の職業であることを教えてもらいました。その理由として、給料が良いこと、日本と比べて忙しすぎず、残業が少ないことが挙げられるそうです。また、お互いの学生時代の学校生活について話し合う中で、文化や教育の違いを知ることができ、こうした交流を通じて教育制度や文化の多様性について深く学ぶことができました。
1月26日は、オーストラリアにとって重要な祝日である「オーストラリア・デー」にあたります。この日は日本の「建国記念日」に相当し、家族で伝統的なお菓子を楽しんだり、学生が夏休みの最終日としてBBQを行ったりと、それぞれのスタイルで祝う文化があります。語学学校でもこの日に合わせて伝統的なスイーツを作るアクティビティーが開催され、放課後には生徒全員が参加するパーティが行われました。パーティではオーストラリアに関するクイズや伝統的な料理の試食が行われ、英語を学ぶだけでなく、オーストラリアの文化についても深く知る有意義な時間を過ごすことができました。
さらに、学校では自分の国の伝統的な料理を作り、シェアしながら自国を紹介するアクティビティも予定されています。この機会を活かして、日本および島根の代表として多くの人にその魅力を発信していきたいと考えています。
(写真2:語学学校の教室や授業風景)
(写真3:オーストラリアの伝統的なお菓子ラミントンを作っている様子)
お餅交流会とぜんざいの振る舞い
今回は新年を祝う機会として、米麹から作られる甘酒を使用した島根の伝統的なスイーツ「ぜんざい」を振る舞い、島根について紹介するワークショップを行いました。より多くの方に楽しんでもらいたいと考え、ブリスベンで交流会を主催している「community_brisbane」さんにお餅会への参加をお願いしたところ、快く協力していただき、この活動を実現することができました。
お餅には小豆やきなこなどさまざまなフレーバーがありますが、「ぜんざい」はあまり見かけないもので、参加者は興味津々でした。出雲発祥の「ぜんざい」は甘さ控えめで素朴なやさしい味わいが特徴です。特に、小豆の素材感がしっかりしており、粒の大きさや食感が際立っています。そこで今回は砂糖を使用せず、甘酒だけで甘さを引き出して作りました。さらに、地域ごとに異なる「ぜんざい」の特徴として、すりつぶす文化や甘さの違い、使用するお餅の種類についても説明しました。試食の際には「甘さが程よい」「日本の伝統的な味を知れてうれしい」といった感想をいただきました。
また、フレーバーの中に「あんこ」も用意されていたため、参加者の中には「ぜんざい」との食べ比べを楽しむ方もおり、「ぜんざい」という新しい体験を味わいながら、食文化の違いを感じていただけたようでした。ワークショップ枠としての参加ではありましたが、この活動を通じて、地域コミュニティーを盛り上げる一助となれたことを嬉しく思います。
甘酒の紹介や島根についての説明を行った際には、「島根に行ってみたい」「日本には行ったことがあったけれど、こんな素敵なところがあったなんて知らなかった」といった嬉しい言葉をいただくことができました。このような反応を通じて、島根の魅力を発信する手応えを感じ、非常に充実した時間を過ごすことができました。
今回の活動を通じて、人を集める難しさや、参加者を楽しませるために複数の体験の場を提供する工夫の大切さを学びました。また、「community_brisbane」さんの協力を得て進めた今回のイベントは、学びと発見の多い機会となりました。Instagramなどで情報を発信されているため、留学に興味がある方や活動内容が気になる方は、ぜひ「community_brisbane」をチェックしてみてください!
(写真4:交流会の集合写真)
(写真5:ぜんざいとホストファザー)一緒にぜんざい作りを楽しんでくれました。また、ホストマザーはフィリピンの方で「フィリピンではここに砂糖とココナッツオイルを入れるよ、すごく甘いスイーツだけどぜんざいは程よい甘さで健康にもいいね」と褒めてくれました。普段が辛口なホストマザーだったためとても嬉しかったです。
来月からは日本人学校でのボランティア活動が始まります。この活動では、現地の子どもたちとの交流を通じて、教育の現場で得られる知見を深めることを目指しています。特に、日本語を教えるだけでなく、子どもたちの学びを支えるためにどのような工夫ができるかを考え、柔軟に対応していきたいと思います。
また、米麹を使用したワークショップでは、引き続き多くの方に日本および島根の魅力を知ってもらえるよう、試行錯誤を重ねながら取り組んでいきたいと考えています。